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MATSUSAKA NISHIMURA ORTHOPEDIC CLINIC


骨粗しょう症

一般整形外科

身体を支える役割のある骨ですが、この骨の強度が何らかの原因によって弱まってしまい、それによって骨折しやすくなっている状態にあると骨粗しょう症と診断されます。日本では、現在骨粗しょう症の患者様は1000万人を超えるとされ、そのうち約8割が女性と言われています。

なお発症の原因は、大きく2つあると言われています。ひとつは、原発性骨粗しょう症と呼ばれるもので、原因と考えられる疾患はないとされているものです。

要因としては、閉経(閉経後骨粗しょう症)や加齢(老人性骨粗しょう症)といったことが挙げられます。なお多くの女性は更年期(45~55歳)になると閉経を迎えるようになります。そして閉経になると女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少するようになります。このエストロゲンには、骨の新陳代謝による骨吸収(骨を壊す働きをする)を抑制する働きがあるのですが、この分泌が著しく不足すると骨吸収のスピードが加速し、骨形成が間に合わなくなるという現象が起きるようになります。これが閉経後骨粗しょう症です。また、男女関係なく年をとると骨リモデリング(既存の骨が吸収され、新しい骨が形成される)のバランスが崩れやすくなって、骨吸収のスピードが速まるなどすることで、骨が折れやすくなることがあります。これを老人性骨粗しょう症と言います。このほかにも栄養バランスの偏り、遺伝的要因で起きることもあります。ちなみに全骨粗しょう症患者様の9割ほどが原発性骨粗しょう症で、その大半が閉経か加齢によるものです。

もうひとつの原因は、続発性骨粗しょう症と呼ばれるもので、これは特定の病気などが原因となって発症します。具体的には、関節リウマチ、多発性骨髄腫、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症といった病気やステロイドの長期使用などによって起きると言われています。

主な症状ですが、骨強度が低下(骨量(骨の中のカルシウムの量)の減少)していくことによる自覚症状というのはみられません。ただ病状が進行するにつれて、骨(背骨)が体の重さに耐えられなくなって、背中や腰が曲がる、身長が縮むなどし、背中や腰にも痛みが出るようになり、腰椎などが圧迫骨折をしていたということがあります。また骨折しやすい状態になっているので、軽い衝撃(転倒 など)で骨が折れやすくなります。なお骨折しやすい部位は、手首、肋骨、骨盤、脊椎、太ももの付け根、脛骨、上腕骨近位端などです。

検査について

患者様の症状などから骨粗しょう症が疑われる場合、診断をつけるための検査を行いますが、その方法としては、骨密度検査、血液検査、画像検査などがあります。

なお骨密度検査の骨密度とは、骨の強さなどを数値化したもので、この場合は骨の中にカルシウムやリンといったミネラルがどの程度含まれているかを測定します。その結果、若い世代の方の骨密度の平均値(YAM値)と比較して、患者様(検査をした方)が何割程度(何%)なのかを計測することで骨粗しょう症の有無を調べていきます。判定方法としては、脆弱性骨折のない方で、YAM値が80%未満では骨量が減少している、70%未満の場合に骨粗しょう症と判定されます(80%以上は正常です)。ちなみに骨密度検査と一口に言いましても、DXA法、超音波法、MD法といくつかあるわけですが、一般的によく行われるのがDXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)です。

このほかにも、圧迫骨折を調べるためのX線撮影(レントゲン検査)や、血液検査で骨リモデリングの状態を調べる、基礎疾患の有無を確かめるといった検査をすることもあります。

治療法について

治療の目的は、骨折しやすい状態を防ぐということになります。そのためには骨密度の低下を抑えていく必要があります。なお、骨粗しょう症は、骨の生活習慣病とも呼ばれるもので、日頃のライフスタイルを見直していくことも大切です。そのため食事面の改善(食事療法)や身体を動かす(運動療法)といったこともしていき、併せて薬物療法も行っていきます。それぞれの内容は次の通りです。

食事療法

骨の形成に関わるとされる栄養素を積極的に取り入れるようにします。具体的には、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKといったものです。

カルシウムであれば1日あたり800mg以上の摂取に努めます。これらが多く含まれる食品は、牛乳や乳製品(チーズやヨーグルト など)、小魚、大豆製品(豆腐、納豆 など)、野菜類(小松菜、モロヘイヤ、水菜 など)や海藻といったものが挙げられます。ビタミンDは、サケ、ウナギ、サンマ、きくらげなどの食品に多く含まれ、1日で約400〜800IUの摂取が推奨されています。ビタミンKは、納豆、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、ニラ、キャベツなどの食品に多く含まれています。1日の摂取量としては、約250〜300µgが望まれます。

また、炭酸飲料やスナック菓子、インスタント食品には、リンが多く含まれます。リンも栄養素としては欠かせませんが、多量に摂取するとカルシウムを尿中に多く排出させてしまうので、これらの食品はなるべく控えるようにしてください。

運動療法

骨を丈夫にさせるには、適度な運動で骨に負荷をかけることも大切です。具体的には、ウォーキングやジョギングといった有酸素運動や筋力を増強させる訓練といったことを日常生活に取り入れるようにしてください。また、骨折は転倒をきっかけとしたケースが多いので、転倒防止のために体幹を鍛えるトレーニングも行うようにします。運動の内容等につきましては、一度医師に相談するようにしてください。

薬物療法

薬物療法は、骨粗しょう症の診断を受けると速やかに行われます。上記の食事療法や運動療法と併行して行われるわけですが、主に骨吸収を抑制させる効果のある薬、骨形成を促す効果のある薬などを使用していきます。

骨吸収抑制薬としては、ビスホスホネート、SERM、抗RANKL抗体薬などがあります。これらによって破骨細胞の働きを抑制させ、骨密度の低下も抑えられるようになります。また骨形成促進薬としては、PTH製剤、抗スクレロスチン抗体製剤などがあります。この場合、PTH製剤などが骨芽細胞(新しい骨を形成する働きなどをする細胞)の働きを促進させることで、骨形成を促すようになります。また、女性ホルモン(エストロゲン)の減少がきっかけとなった骨粗しょう症については、ホルモン補充療法(HRT)として、エストロゲンを投与することもあります。

このほか、骨をつくる材料となるビタミンDやカルシウムを補っていくために、ビタミンD製剤やカルシウム製剤を用いる場合もあります。

松阪にしむら整形外科

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診療科目
整形外科 リハビリテーション科 リウマチ科
院 長
西村 誠
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